2000/07/05

     ローテクサーフボード
                 かなり熱いぜ〜。ハンカチの用意を‥。
                       by たかのりさん


 いまやハイテクサーフボードなしではサーフインじゃないってくらい
 サーフボードにこだわる時代、実際私もそうだ。

 色んなデザイン、色んなフィンシステム
 なんちゃラカンチャラいっぱいあってよくわかんない・・・
 うーん一体サーフボードってどこまで進化するんだろう?
 私はハイテクサーフボード大好き!でもお金ないから、自分の目利きでコレだっていう
 のを買って使ってる。

 大抵、買うときは大金がかかっているので、3日くらい眠れない。
 私はインドネシアに住んでいるので、店置きのサーフボードしか買えない。
 時間が有ればコネで、作ってもらったり送ってもらったりいろんなこと出来るんだが
 大抵、前のメインボードが折れて買わなきゃ―しょうがないって時だからすぐ使いたい
 から待ってらんない。そんな訳で、そこにある板の中から当たりを探さなければいけない
 ので、一発真剣勝負だ。

 心の底からホント、オーダーシートにあれこれってデータ―書きこんで
 デザイン書きこんで、しまいにゃ―ド派手なエアーブラシでも入れてみてーぇ!
 ホント羨ましいですよぉ!オーダーした―い!!

 でも、私はいつもこんな人達のサーフインを見て励まされるのだった。
 私はインドネシアの色んな所でサーフインした。かれこれ10年くらい。
 で、色んな場所にローカルっているんですよね。やっぱ、どこの人でも好きな訳です。
 いい波が有る訳だから色んなトコからサーフアーがやって来てサーフインする訳だから
 そこにいるヤツラがやりたくなるのも当然である。
 色んなサーファーが来て誰かしら板が折れたりして置いて行ったり、仲良くなって置いて
 行く人なんかもしばしば。そして板を得てサーフインを覚えて行くわけです。

 先進国みたいにカッコイイから、面白いから一度行ってやってみようって感じでなく
 ホント、目の前で外人がサーフボードってやつに乗ってるのを見てさぞ感動、興奮した
 わけでしょうね―。そして、

 「オイラモ アレ ヤッテミタイゾ!!」

 ってなキッカケなんですね。(きっと日本でもそんな人いるとは思うケド大半は前者では?)
 私みたいにコレやったら女にモテ、モテってことはたぶん考えなかったと思う。(たぶん)
 そしてサーフィンデビューするんだが、サーフィンに関する情報がホトンド無い。
 サーフィンに関するたよりはそこに訪れるサーファーの話と、物だけ
 無論サーフビデオなんてのは無いので、実際目で見るサーフインが教科書だ。
 そーこーやって行くうちにルールなんかも覚えてくる。
 そんなんだから上手いヤツで、トリックをバンバン決めるヤツでも
 そのトリックの名前すら知らないやつもいる。
 いいリップ決まったじゃ―んみたいなこと言っても

 「リップッテナニ?」みたいな・・・

 無論サーフインに関する物なんてその辺に売ってないし
 あったとしても当然ヤツラにとっては高額過ぎて買えない。
 奴らの頼みの伝手はそこに来る優しいサーフアーからのおみやげ?
 すべてもらい物である。くれるって言ったって、ケチなサーフアーが
 置いて行くもんだから大抵救い様が無いくらいボロボロ
 日本だったら即ごみ箱行きである。

 そんなのに乗ってて、さらにクラッシュしてもリペア―の為のレジンだってままならない
 おかげで、海水をたんまり吸っててショートボードなのに
 ノーズライダー並の重さで (2倍〜3倍くらいってコト)
 ひどいのになるとあちこちにカミソリ状態のクロス剥き出しで使ってる。危ない・・・

 無論サーフトランクスなんて売ってないから外人から貰えたやつはいいが
 貰えないやつなんかはふだん使ってるショートパンツ
 ヒドイと、ブリーフ一丁なんてコトも!(笑)
 リーシュが無ければビーチが近ければ付けないでやるか
 遠い場合は大変なので雑貨屋で買ってきたナイロンのロープを付ける。
 波に巻かれて板を引っ張られるとそれはもう足首青アザものである
 まーここまでやってくれるヤツはさすがに少ないが・・・
 
 エグイ波の村のローカルなんて、板ポキポキしょっちゅう折れちゃうから
 質の悪い、舟用の樹脂とクロスをはるばる遠くの街に行って
 無け無しの金をはたいて買って来て折れた板に山盛りに塗ったくってくっ付ける。
 1本の板で3回くらい折れてるのも珍しくない。
 さすがに笑ったのは、流されて半分無くなったんであろう
 2本の折れた板のノーズとテール、片方ずつ合体させて今だ乗ってやがる。
 そいつはその村のローカルの中ではぴかいちに上手い!(その板で・・・)
 日本のレベルで言ったらNSA2級くらいか?よくわかんないけど・・・

 人のサーフイン見てるだけであんだけ出来れば大したモンである。
 そんな板でもみんなの宝物であるわけだからものすごい大切にする。
 ワックスはなかなか手に入らないので、そのままズ―ッと剥がさないんで
 ワックスっていうか垢が塗ってあるって感じで汚い。
 でも、海に上がるたんびに真水で洗ってタオルでふいてお部屋に飾ってある。
 かといって壊れるのを気にして
 エグイ波に突っ込まないって訳じゃー無い!!(私は壊れるのチョット気になる)
 波に合わせて板を選ぶなんて出来やぁしない。
 どんなにデカくてもその板で入るしかない。
 でも、そんなの関係ない。いつでもイケイケである。 そんなんムリじゃんってトコ
 から突っ込む突っ込む!
 そんで案の丈ぶっ壊す。 で、スゲ―落ち込むんだけど、また波が来れば
 そんなの気にしてないってくらいにまた突っ込む! しまいにゃ―自分の体もキズだらけ! 

 でも、イケイケのくせにチョットの怪我でも泣きそうなくらい痛がるのが笑える・・・
 私はそんなヤツラが大好きだ!スゲ―カッコイイって思う!
 ひどい奴なんか仕事もしないで毎日毎日サーフインのことばかり考えやがる。
 日本のフリーターサーフアーなんて可愛いもんだ!

 私はハイテクボード大好き! でもそれが買えなくても大丈夫!
 ヤツらに熱いサーフスピリットを教えてもらったから!
 サーフインに必要な物、それは、サーフイン大好きって気持ち!
 ホントにサーフインが大好きな奴にはどんな板を使わせても
 板をピカピカの新品同様にイキイキ輝かせるんだぜ!
 私も今は新しいの買ったからメインボードではないが
 3回ほど折れた(最近また折れたけど)板で散々楽しませてもらった。
 この板が大好き、この板しかない!って思ったら板のバランス、重さ、
 ボコボコニなったボトムなんて全然関係無かった。普段と変わらないサーフインが出来た。


 でも、やっぱり私もピカピカのハイテクボードは乗りた〜い。
 上記のヤツラだって最新でピッカピッカのサーフボード絶対乗りたいに決まってる!
 正直な気持ちはみんなそうだとおもう。
 少しでも自分の目指す理想のマニュウバーに近付けたいから・・・
 ローテクボードで頑張ってるサーファーみんなに熱いエールを送りたい!

 「がんばってそのうちいい板買えよ!」

                        

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