2001/10/13

       大会と大波
                        by 夏海


「自然は偉大だよ。」
漠然とはわかっていた、自然の偉大さ。でも、今日は身を持って感じたわ。

本日、私伊豆チャンピオンシップという大会に初出場いたしました。
波のコンディションは台風の影響でかなりハードなものだった。(おばけセットでタブルっくらい)

スタートの時にゲットできたのが奇跡とも思えるくらいの大波だったけれど
私のモットー「波乗りは楽しく」にのっとり一本でもいいから「乗ってやろう」と思ってた。
開始の合図とともにインサイドよりにポジションを移して乗れる波を待っていた。

「セット入りました」
本部のマイクからそんなアナウンスが入った時、私の目の前には超巨大な壁がそそり立っていた。

「うぎゃーーー」

あっという間にのまれてぐるぐる洗濯機状態。
こんな大波で入水したのははじめてだった。
巻かれてもいいやと思ってたけれど、巻かれるどころか完全に溺れてた。
まず、フィンが脱げて、ついでソックスも脱げた。(笑)←もちろん初体験。
すげぇ〜パニクッてもう棄権しようかなって思ったんだけど、
インサイドでソックスとフィンを履き直したら、ムショウに悔しくなって意地でもゲットしたくなった。
(貧乏人は道具を無くしません。笑)

残り時間5分。

悔しい、悔しい、悔し〜〜い!
火事場の底力ってのはこういうこと言うんだね。なんとかゲットできた。(^^)/
残り30秒乗れそうな波がやってきたのに、私の体力が底をついていた。(−−;

結局、一本も乗れず、溺れて終わってしまいました。うえ〜ん。(><;

家に帰ってきて、久しぶりにサザエさんを見て、大会報告の電話を入れた。

「おぼれちゃった・・・」

「恥ずかしいとか、悔しいとか思っちゃダメだよ。男の子だってゲットできないのもいるし、
 見てた人たちもちゃんとわかってるよ。」


先輩のこの言葉が私の涙腺のスイッチをオンした。
号泣・・・「えーんえーん」ってホントに「えーんえーん」って言うんだね。
近所迷惑もかえりみずまさに「号泣」。
30分くらいひとしきり泣いた後で、「なんで私はこんなに泣くのかな」って考えた。
超でか波で怖かった。恥ずかしかった。悔しかった。全部あっているようで何かが違う。

「自然は偉大だよ。」
そうなんだよ〜自然は偉大なんだよ〜
「乗ってやろう」じゃなくて「乗せてもらおう」なんだよ。
調子にのってた自分に気がついて、「怖い」「恥ずかしい」「悔しい」の気持ちが自然に対する
ものだってわかったんだよぉ〜
そしたら、またまた号泣はじまった。(;;)

波乗りは大自然が相手のスポーツ。だから私たちは海に敬意を払ってきた。
そこんとこ本当はわかってなかったんだね。
それと、海で出会った仲間たち。いつも近くで何気なく見守ってくれている仲間たち。
今日は大会だからひとりきりの不安。

「自然の偉大さ」と「仲間の大切さ」これがわかった実り多い大会初出場でした。

追伸・・・大会は賛否両論あるけれど、私はまた出たい!だって本当はめっちゃ悔しかったから。
     (まだまだダメなやつだな)  また一冬、楽しく気合と根性入れて練習するぞ!!






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