2001/02/05

     RELAX and PATIENT
                          by ley



 2月、ワイキキ。ショートボードが乗れる様な波ではない日。

 こんな日もある、とビーチにある友達のレンタルサーフボードのスタンドで手伝っていた。

 プレートランチを食べながら海を見ていた私に

 サーフィンのインストラクター、サムが声を掛けてきた。

 「サーフィン、やらないのか?」

 私はチキンをほお張りながら

 「今日はダメ。ショートじゃ乗れない。」と一言。

 「ならロングをやればいい。小さな波を自由に乗れなければ、大きな波には乗れない。」

 そう言って9フィートのボードを私に貸してくれた。



 パドルをしてみると速い。これがロングボードの最初の印象だった。

 アウトまで行くとサムがスタンドの客を連れてサーフィンレッスンをしていた。

 私はサムに「教えて!」と声をかけた。50歳半ばのサムはニッコリと

 感じろ!それからRELAX and PATIENT!!と返してきた。

 「結局、一人で覚えろってことなのね。ま、サーフィンが出来る事だし、いいか。」

 と思いつつ1本目・・・、2本目・・・。

 パドルをするのに、波に追いつかない。今度はもう少し前にいって・・・。

 ノーズが刺さって、もまれる。   何回かの失敗の後。

 思いっきりパドル、スーッと板が滑る感触。 今だ!!

 視界が開ける。ビーチと青い空。サムがいつのまにか笑顔で一緒に乗っている。

 ゆったりとした滑り。1日で夢中になってしまった。



 Relax and Patient



 人生も同じ事だと思う。人間なんて完璧な生き物じゃない。

 成功よりも、きっと失敗することのほうが多いかもしれない。

 でも、大きな波に乗ることを夢見てまたパドルする。

 決して焦らず、波を見極める。

 そして、“何を選ぶのか”。仕事にしても、恋にしても、自分には何が必要か、

 誰が必要かを今の自分のベストを尽くして選ぶ。

 迷いながら、つまづきながら“強い勇気を!”と心の中で叫ぶ。

 1度でも波に乗ってしまったら、忘れることなんて出来ない。

 いつまでも身体が覚えている。

 私の人生はサーフィンと共存したい。サーファーなら必ず、そう感じると思う。

 そして、そうゆうサーファー達と共にまた、海へ向かう。


 
                             lei







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