この島に漂流するまでの過程など問題ではなく、
これからをどのようなスタイルで生きて行くかが大切だと思う。
2001年7月1日に第二回座間味〜那覇サバニ帆走レースが開催された。
サバニとは琉球の海人(ウミンチュ)が古くから使用していた船であり、
4メーターほどの木造船であるが、これで遠くはフィリピン・インドネシアなどに乗り入れていた。
外洋の山のようなウネリを乗り越えて数千キロの航海を星・風・海流の変化を読み取り、
航海術をマスターした者だけが未知の世界に足を踏み入れる事が許された。
今回のレースは第二回目であり、第一回目も出艇した。
その時の結果は17艇中の7位で約5時間30分で完走した。
今年もこの島に漂流し住み着いた波乗り人と地元波乗り人の混成チームで出艇した。
当然、昨年の教訓を生かし今年は優勝を狙っていたのである。
風だけに頼るのでなく5時間以上の持久力を必要とするパドルが要求される。
それと航海技術が加わり上位にくい込める。結果は・・・航海不可能になり「棄権」である。
スタート後、1時間30分間は3位の好ポジションに位置していたが、ショートカットを試みた結果、
リーフの浅瀬にラダ‐(舵)を引っかけて走行不能になり、
挙句の果て我艇は横波を受けて沈没した。
しかし、力を合わせ全力でパドルした仲間はローカルと移住組みの「壁」を乗り越え、
お互い抱き合い健闘を称えた。これこそが「仲間」であり、
この友情は永遠に続くものと信じている。
波乗り移住組みであっても、いつか「この島」を去る者もいる。
しかし、その者に対して「また戻っておいでよ、一緒に波乗りやろうぜ。」と言ってもらえる
波乗り人に成長して旅立っていく。。。