2001/09/14

       池本という男
                         by Denis!


「おぅ Denis!」 最初に言われた言葉はそれだった。

サーフショップ主催のクラブパーティーの暗がりの中、
奥まったソファーに深々腰掛けるその姿は、どこぞの大先輩かとすら思わせた。
「相互リンクありがとね・・」 なんて話してるうちに「いけちゃんのホームページ」の
Webmaster と気付くのにさほど時間はかからなかった。
このときはそれだけ。。そして始まり。。

しばらくしてこの池本という男からメールが届き、
「サーファーとして生きるんだ」という思いを聞かされるのだが、なんとも唐突。
出来上がった大人の口から出た言葉とはとうてい思えないような大胆不敵な発言。

 「俺さ、サーフショップやりたいんだ・・」

 「へーそうなんですか。で、お店はどちらに?」

 「いや、持たない」

 「へ?」

この男、無店舗でサーフショップをやると言うからいた!
見た目こそまじめなのに、頭はイカレてるんだと思った、まじで。
でも待てよ? 俺の相方NORIとの出会いもこんな感じだったような。。
夢を語る者に悪い人はいないはず。。ならば・・・。
ってな感じで非常に興味を持ったのが今年のはじめだったかな。
「応援しますよ!」ってメール書いて3ヶ月が過ぎた。。

になって再び、
池本から連絡があって本格的に動くとのこと。
じゃー協力しようってなことでSSの広告スペース用意したり(有料ね)
試乗会やってみたりしてみたけど、反応はいまいちだったらしい。
そりゃそうだ。

 「だって池本さん、何やってんのか分からないんだもん!」

今年の9月に入って俺の興味がピークを迎えた。
「で、池本さんって何やってんですか?」 だって(笑)
失礼な話しとは思えど素朴な疑問は仕方ない。
ホームページを見てもマジックボードマジックボードって書いてあるけど
何がマジックボードなのかはよく分からないのだ。


 そして先日。
 池本に案内されたのはコンテナが並ぶ倉庫の
 一角だった。

 倉庫を前に得意げな顔をする池本は、
 子供そのものである。

 「せ、せまくないですか池本さん・・。」 

 「晴れた日は外でやんの」

 なるほどね。。
 池本にとって狭さはそれほど関係ないらしい。
 コーヒーをご馳走してもらいながらネホリハホリと
 聞いてみた。

 「何でこーゆーの始めたんですか?」って・・。

 池本いわく、
 彼はアドバイザーなんだそうな。。
 
電気はランタンが1ヶなの・・         彼自信も40ながら現役のサーファーであり、
                          その昔、糟谷修自さんや久我孝男さんなどと一緒に
シークエンスの裏に宿を借り、俺らが鼻タレ小僧だった頃にはサーフィンをしていたわけで、
サーフィンには並々ならぬ思いがあるのだそうな。。。

さらに聞けばもっと面白かった。

普通アドバイザーというと中級〜上級向けで、カットバックがどうのこうのだとか、
レールが噛むだの噛まないだの・・そんなサーファーのわがままに答えるのが仕事なのだが
池本は100%初心者向けのアドバイザーだと言い切る。

池本はこんな疑問を感じているらしい。。

 なんで初心者に勧めるボードは浮力があってパドル
 が楽なものばかりなんだ? ドルフィンとかができれ
 ばもっとアウトの波に乗れるじゃないか・・。


初心者は何も知らない。だからこそ細かいアドバイスが必要
なんじゃないの? ←同感!

千葉の一の宮で若い女の子と一緒にいるところをたまたま
見かけたことがあった。

 「池本さーん、いいっすねー」

 「あーこれからレッスンなんだぁ」

池本はウェットの裏表も分からないようなテケテケちゃんと海に入って行った。
そして2時間、胸まで浸かってボードを押し続けてた。。

 「ごめんなーデニスーすっかり遅くなっちまった」 ←いえいえって感じ。

ご苦労様である。
初心者にここまで教えるサーファーはまずいない。
「見て覚えな!」
これが俺らの受けた洗礼だった事を考えると、なんともありがたい方である。
こんな人がいてくれたら今ごろは・・なんて思えても仕方が無い・・。

池本は言う。
「僕は1本目とか2本目の板買いたいとか、真剣にサーフィンを続けたいって決心固めた人
 に本当にいいボードを提供してあげたいんだ。」

サーファーなら誰しもある程度のレベルで道具の選択肢にぶつかるはずである。
今乗ってる板が本当にいいものかどうか?
ここで言う「いい板」とは正に「自分に合ってるかどうか」ということで、
技術や体系、スタイルなんかも含めて合ってるかどうかということになる。

池本の元には常に数本のストックボードが眠っている。
これらは彼のコレクションではなく、自分に合った板を探す人のための試乗用ボードだ。
「板なんて乗ってみなきゃ分からないんだよ。買ってから合わないじゃ済まないだろ?」
おっしゃる通りです!

量販店の店員に「それじゃー6'1くらいがいいんじゃないですかぁ?」って言われたって
何を根拠に言ってるのか分からない。そこで言う「それじゃー」って何!?
それを言えるのは一緒に海へ入ったりして「お客さん」を知り尽くしたドクターだけだ。

 そうこうしてるうちに池本のもとに若いサーファーが
 やって来る。

 彼の売りたいボードを無料で修理したらしい。
 「池本さん、お金もらいなよ。」

 「あーいいのいいの」

 こんなんで商売になんのか?
 それが俺が思った率直な感想である。

 池本の周りには名の知れたシェイパーもいる。
 品質の高いボードメーカーもいる。
 「彼ならいいよ」と言って協力してくれる老舗が
 たくさんいる!

 雨の降る中わざわざ話しを聞きに行って良かった
 と思っている。

これなんていいぜ?         

今まで不思議で仕方なかった「池本という男」が少し分かってきた!
店舗もなければ金も無い(笑) しかしサーフィンにかける情熱と、初めてだからいいボード
に乗ってもっと楽しんでもらいたいというマインドを持っている。。

マジックボード。。  フムフム

なんとなくどころか、かなり理解した。
サーフィンを始めたばかりでこれから上達したい人、
1枚目買って乗れるようになったけど「自分に合った板」を探し求めている人、
ベコボコのボードでお悩みの方。
該当する方は池本のもとに行くべし!
(あ、但し千葉まで来ないとダメだよ?)

ボード価格に割引は無い。
但しこれだけは約束してくれるだろう。
彼はきっと親身になって君達をGREENROOMへ連れて行ってくれる・・。
そう思えたらお安い買い物なのかもね。。

君専用のアドバイザー。お一人いかが?


                     面白い人と知り合いになれて海に感謝です!

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