「前乗り・メチャ混み・ドフラット」
これらは、サーファーなら誰もが一度は体験する「3大最悪要素」だと思う。
しかし、そんなことどうでもいいような出来事が起きた・・・。
12月某日。それは突然の診断だった。
「網膜剥離です。すぐに手術ですね。」
「え!?」一瞬耳を疑った。
ボクサーでもない俺がなぜ!?と思ったが、まぎれもない事実だった。
聞けば、剥離を起こしやすいスポーツは、
ボクシングと、水泳の飛び込み競技だという。
主治医の先生に話を聞くと、失明するほどの状態ではないとの事。
まずはひと安心だったが、次に思ったのが、
サーフィンは出来るのか?
ということだった。
ボクシングはやらないにしても、飛び込み競技というのは引っかかる。
なぜこの競技がなりやすいかというと、「眼球に直接衝撃を受けるから」だそうだ。
・・・って事は波乗りも当然??
先生は「湘南くらいの波なら平気」というが、それは波乗りを知らない人の話。
ターンでレールが抜けたりすれば、顔面からモロに衝撃をうけるし、
ヘタなワイプアウトでもしようものなら・・・である。
そう、俺はこの病気になり、常に「失明するかも・・・」
という、とんでもない爆弾を背負ってしまったのだ。
やろうと思えば、出来るかもしれない。
しかし、いつまた剥離を起こし、失明の危機にさらされるかわからない。
サーフィンをすることで受けるその見返りは、とてつもなく大きい。
そして1月。無事退院出来て今思うこと。それは・・・
海に入れるだけでも幸せだ
ということ。
朝陽に向かってゲットして、夕陽を背にして、テイクオフする・・・。
そんなことが出来ていた以前の自分は、間違いなく幸せだったのだ。
前乗りストに嘆くことも、メチャ混みの日曜も、ドフラットの湘南も、
すべては、海に行きサーフィンが出来るという条件の基に体験できる。
それだけでも、相当に幸せなことだと思う。(少なくとも今の俺にしてみれば・・・)
楽しいはずの波乗りも、上の3大要素にハマれば、
誰でもブルーになってしまうとは思う。
しかし、嘆いている場合じゃない!
そこにいれるということは、間違いなく幸せのはずだから。
みなさんはどうですか?
忘れていませんか?大切なことを・・・。