2002/01/05

                        大晦日
                         by TATSUKI



平成13年俺はめでたく?30歳を迎えて、5年借りている御宿の家も引っ越すことにした。

そして大晦日、K-1を見ていると、先にビーチに行っていた友達からTELがあった。

   「3人裸でサーフィンやってるよ。」

30歳の節目、家の引越し。俺にとってはすごく記念な年になる気がして、

記念にやってみようと思いみんなを誘うも誰もやらず。 そりゃそうか。

このクソ寒い中しかもにだれがやるか?

そっこーで着替えて、ビーチを走る。 やっぱ寒すぎ。

ブーツめんどくさいからはかなかったから、足の感覚がなくなってきた。


軽く準備運動をして、クソ重い10フィートのロングを担いで、パドルする。

海は真っ黒な色。でも満月でものすごく明るい。

雲があるのか月の回りに輪ができていてすげーきれい。

あんまり見たことない月だった。。

とりあえずゲット。波はひざ〜腰。おばけたまーに腹くらい。

思ったよりサイズがあるなというのが最初の印象だった。

ビーチでは人がにぎわっていて、うるさいが、ゲットしていくうちに本当に静かになっていく。

音は波のブレイクする音のみ。


   波が来る。  真っ黒な壁が迫ってくる。


ここかなと思うところよりかなり手前でブレイクするからなかなか感覚がつかめない。

なぜか顔がゆるんでくる。

誰一人いない、この寒い冬の真っ黒な、海のなか満月のきれいな景色の中、

一生懸命波を乗ろうとする自分が笑えてきた。

また波がきた。 黒い壁だ。 今度はタイミングを逃さずテイクオフ。

月明かりがショルダーを照らしている。ちょっとダンパーだったけど、ぜんぜん乗れる。


波の音が聞こえる。 波が俺を押してくれる。 月を見上げる。

完全な自分だけの世界。 自然と一体になった。 そう言える瞬間だった。

だれもいないところで叫んでいる。


みんなに呼ばれてカウントダウン。その後そっこーで走ってまたゲットする。

そのセットはお化けセットだった。得意じゃないグーフィーの波。

しかもダンパーっぽく掘れていたが、切れている波が本当にうっすらと見える。

テイクオフ。

想像してたより、ぜんぜん掘れていたから、グラブしてボトムからショルダーへ。

おおおおお!!

ショルダーは月あかりで少し明るいものの、ほぼ真っ黒。早くてパワーのある波だ。


ビーチ沿いの街灯が、ブレイクするたびに1つ1つ消えていく。

いくつ街灯が消えていっただろう。奇跡的なロングライド30mくらい乗ったかな?

インサイドで万歳して叫んでいた。 上を見上げた。

なんとも言えない気持ちでいっぱいになった。

乗り納め。乗り始め。一番は俺だったでしょう。マジ最高な時でした。

P.S 本当に危険なので、絶対に夜にサーフィンは止めましょう。
流されたりしたら終わりですよ。


   あと、本当の話、お化けの話も良く聞きます。足ひっぱられるかも!?



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