2005/09/28

シークレットポイントなんてない!

by Denis!
 

 

これだけ地図や情報伝達網が整備されてたら「シークレットポイント」なんてない。
ポイントガイドにもバンバン書かれちゃってるし・・

 
サーヒン へ ゴー!ゴー!

外部からやってきて波に飢えたサーファーの目は容赦ない。
沿岸沿いを舐めるように走ってシークレットらしきポイントを探し出す。

ローカル連中が「ここは守られた場所だから入ってくんなボケー!」と叫ぼうが、
「部外者立入禁止」のたて看板を立てようが全くもって意味がない。

ビジターってのは「秘密です」とか「ダメです」とか「限定です」とかそういう言葉に弱い。
そうやって強く言われれば言われるほど余計入りたくなってしまうもんだ。
焼け石に水とはまさにこれのことである。

かつて俺がオテケだった頃、
先輩サーファーからとある「守られたポイント」の話しを聞いて燃えて探したことがある。
それから半年もしない内にその場所を見つけ、自分なりに攻めたのだが、
ハードに巻き巻きなそのブレイクに身の程を知って退散した。

そこは確かに守られてこそいるが特にシークレットではない。
だが部外者からするとかなりのシークレット扱いで話しは勝手に膨れ上がってる。
部外者の思想とはそんなもんだ。妄想は激しく膨らむ。
アイドルはトイレでマシュマロを出すと思ってるのと同じだ。

ひとつ例をあげようか?

千葉の御宿に「岩舟」というポイントがある。
今でこそポイントガイドなどにも載ってしまっているのでシークレットではなくなっているが
かつては地元しか知らない断崖絶壁の岩場の下にある数十メートルほどの小さな浜だった。
山道の端に車を停めて洞窟を歩いて抜けると、
海賊船でも漂着していてもおかしくないような異空間がそこには広がっていた。
その神秘さが噂を呼んで、決して波は良くはないのだが都内のサーファーに大いにうけた。
結果、週末ともなるとウーハーを積んだローダウン車が山道にバンバン停まり、
道路わきの建物にはスプレーで落書き、ゴミはポイ捨て、野糞、タバコの吸殻・・・。
ポイントはあっと言う間に「渋谷」になった。

で、仕方なく落石が激しいという理由でその洞窟を鉄の檻で封印した。
ところがその檻は破壊される。そんな話しを聞いて以来心が痛むので行っていない。

こんなのがサーファーなのか??


とにかくこれだけ情報がはびこってしまった現在において「シークレットポイント」などはない!
内房の住民が台風の時に富津に来るな!といくら叫んだとしても、
アクアラインがある限りわずか30分という脅威のスピードでやって来れるわけだ。
ハマコーさんが悪いとかそういう問題でもない。

このお話しは実はビジターに対して言っているのではないのだな。

かつて千葉の浜辺が極悪ジェットスキーヤー達に荒らされていたとき、
普通のローカルは叫んだ、「死ねー!バカー!来るなー!アホー!」
ジェットはさらに怒り、余計暴れた。火に油どころかガソリンを注いだ。

そんな中一部の地域のローカルはチラシを作ってジェットスキーヤーに配ったそうな。
どうしてダメなのか?どうすればいいのか?などの詳細を書いて。
しかも歩いて一人一人に、頭を下げて「お願いします」ベースで回ったと聞く。

その結果としてジェットスキーヤーのマナーが向上し、静かな海が戻ってきた。
それどころかジェットとサーフィンの間に友情すら生まれたらしい。

このお話しから学ぶことは大きいだろ?
平和的解決ってやつだ。

とは言えども聖地は守らねばならない。
剣を抜けば剣を出し、ツバを吐けば吐きかえされる。
そこはシークレットでないということを認識すれば分かるはず。
ローカルの守護達がすることは拳を振り上げて闘うことじゃない。

ポイントのルールとリズムを正確に伝えることだ。

なるべく多く、できるだけ多くのビジターに。


柔よく剛を制す
肉を斬らせて骨を断つ!

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協力は惜しまないぜ。






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