サーフィン@マガジン
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波待ちのやり方とコツ

サーフィンにとって「波待ち」というのは「休憩」であり「波の観察時間」です。波はしょっちゅう来るわけではありませんので、波の来てない間はプカプカと波間に浮きながらひたすら波を待ち続けます。この間に休んで体力を回復することも1つの目的のため、無駄な体力を使わないように気をつけなければなりません。浮力の大きいロングボードやうつ伏せのまま波待ちするボディボードは初心者でも比較的簡単に波待ちできますが、ショートボードは浮力が少ないので座って波待ちするのは最初の内少し難しいかもしれませんが、何度かトライしてるうちに体が自然と慣れてくると思います。

ショートボードの波待ちは3点で座る

波待ち初心者のうちはパドリングの姿勢から両肘をついて波待ちしてても良いと思いますが、うつ伏せ状態よりボードに座って波待ちした方が体力の回復が早いです。(背筋への負担とかも軽減するし)なので、できそうかも?と思ったら積極的に座った姿勢での波待ちを練習することをお勧めします。

波待ちの様子ポイントは3点で座ること。1点は尾てい骨。もう2点は両膝の裏です。この3点を結んだ中央部分に体重が真っ直ぐかかるようにするとボードが安定し始めます。コツは上半身が猫背にならないこと。少し胸を張って頭のてっぺんからお腹のあたりに真っ直ぐ体重をかけることです。よく見ると波待ちしてる上手いサーファーは波待ちの最中に背中が反ってます。逆に初心者はみな猫背。体重をうまくかけることがボードが安定するポイント1です。

ポイント2は水中に浸かってるヒザから下の足をくるくる回してバランスを保つこと。水泳でいう巻き足という技術のゆっくりバージョン。足を回さずにじーっと浮いてるのは上級者技なので、初心者はどんどん使いましょう。ただし、速く回そうとするとバランスが崩れやすくなりますので、ゆっくり回します。

最初のうちは慣れないのでボードのノーズ部分を両手でしっかり持って波待ちしてしまいますが、ボードを横にしないと安定しませんのでヒザの裏に加重してなるべく手は離して波待ちするように心がけましょう。海上で波待ちするときに手を使わないでも平気になったら初級者にステップアップです。

ロングボードの波待ちは座ってもよし、寝転がってもよし

ロングボードの波待ち波待ちする様子ロングボードは浮力が高いので寝転がって待とうが、座って待とうが自由自在です。ただこれもショートと同じで座って待っていた方が体力の回復は早いのでなるべく座って待ちましょう。ボードが真っ直ぐ水面に浮かぶ場所を探して座るか、波の大きな時はノーズが少し出るくらいのポジションで波待ちします。座って待っていると遠くからやってくるうねりも見えるようになりますので有利な点が増えます。

波が来たらお尻を後ろに大きくずらすとノーズが浮きますので、その反転力を浸かって方向を変えてパドリングを開始します。寝転がって波待ちしてるとこの技が使えないので、スタートダッシュがかなり遅れてしまいます。

ボディボードの波待ちはうつ伏せのまま

ボディボードの場合はボードに捕まったまま軽くビーディング(足ヒレをバタバタすること)しながら波待ちします。ボードは小さいので少し進んでいた方が浮力を保てるからです。お腹の下の方までボードを入れてノーズは少しだけ出るようなポジションがベストです。波が来たなーと思ったら進行方向に向かってビーディングを始めます。中上級者になると座って波待ちする方もいますが、またぐと幅が広いので実はショートボードで波待ちするより難しいです。

波の選び方とコツ

初級者から中級者への入り口がこの波の選び方です。断言しますがイイ波に乗れば誰でも最短で上手くなれます。でも多くのサーファーは乗り方にはこだわってますが「乗る場所」にはあまりこだわっていないので上達が遅いのだと思います。いませんか?毎年レベルが変わらない人・・・。

サーフビデオなどを見ると良く理解できると思いますが、上手い人はみんな波のピークや切れ目を捕らえるのが上手い!ということに気づくと思います。そしてどんなに大きくても一気に崩れるような波には乗りません。波を選ぶと必死でパドリングしなくても波が勝手に運んでくれますし、テイクオフの時に視界が開けてボードが安定し、楽にスタートを切れるんです。上手い人=テイクオフが上手いではないんです。波の選び方が上手いんです。

どこでブレイクするか海に入る前からチェックしておく

まず最初に憶えておいて欲しいことがあります。それは「ビーチブレイクはブレイクポイントが時間の経過と共に変化する」ということ。リーフブレイクなどは海底の地形が変わらないので、潮の満ち引きによりブレイクの形は変われどそのポイントはあまり変化しません。一方ビーチブレイクの場合は、潮の満ち引きによって砂が堆積するサンドバーという場所の位置が刻々と変化するのでブレイクポイントも変化します。ですので、ビーチブレイクの場合はいつも同じ場所で波がブレイクするとは思わない事が大前提になります。

ビーチブレイクこれを踏まえて海に入る前に現在波がブレイクしている場所を探します。まずはそこで1時間は楽しめます。小潮なら2時間程度、大潮なら1時間に1度は今自分のいる場所がブレイクポイントになっているかどうか客観的に確認した方が良いでしょう。一番良いのは一度海から上がって確認すること。確認する時間は少なくても10分くらいは経過観測していないと正確な情報は得られません。慣れてくれば海の中で移動しながら常にピークを維持できますが、最初の内は少々面倒でも海から上がって確認しましょう。

テイクオフしたいピークを半径5m以内に納めておく

「よしここがピークだ」と思って波待ちを始めても、5分もじっとしていればピークをはずれます。海面は常に風や潮の影響で動いていますので、自分もボードと一緒に流されているのです。ピークをみつけたら岸や防波堤などを目印にその場所を頭の中でマーキングして、「流されてるな」と思ったらちょこちょこパドリングをして自分の位置を常にピークにくるよう修正しましょう。5mというのは初級者が「あ、波が来た!」と思ってパドリングを開始して、ピークに追いつくことができる最大値です。これ以上離れてしまうといくら高速パドルをしても追いつかないと思います。この微調整がイイ波ゲットの明暗を分けると言っても過言ではありません。

怖がらずに斜めに進んでテイクオフを試みる

テイクオフの瞬間小波でテイクオフする瞬間ロングボードはターンに慣れが必要なので、いきなり斜めに乗るのは難しいのですが、ショートボードやボディボードの方は波の切れ目に乗ったらブレイクの方向に合わせて少し斜めにテイクオフしてゆきましょう。サーフィンは波の横方向に進むことで最大の推進力を得ることができますので、テイクオフも、その後の加速も非常に楽になります。真っ直ぐテイクオフしてボトムターンから横に走ることを憶えるよりは最初から斜めにテイクオフしていった方が上達は5倍くらい早まると思います。(ロングボードが多いポイントだと斜めに行くなと怒られることもありますのでご注意ください)

良くない波には乗らないのも練習

若い人達は質より量といった感じでどんな波にでも乗ってサーフィン気取りですが、横一直線に崩れる波に乗っても上達はしません。それどころか板を折ったり、ケガをするリスクの方が高いと思います。初級者~中級者の方は体力もあまりありませんので、1日に乗れる本数は限られています。ですので、本当に「これはいい!行ける!」と思った波に2~3本乗れたらOK♪くらいの気持ちで悠々と波待ちすれば良いと思います。地道に待っていると、きれいにブレイクしそうなイイ波に必ず巡り会えます。それが海のいいところです。自分が納得できないあまり良さそうでない波はあえてスルーすること。これも波を選ぶ技術の1つだと思います。どんな波が良くてどんな波が良くないのか分からない人は、一度サーフィンの大会などを見に行ってみると良いと思います。大会は限られた時間の中で限られた本数しか乗れないので、もの凄く波を選んでいるのが分かると思います。

とにかくサーフィンは「切れ目」で乗るものなのだ

波待ちしてからパドリングをしてテイクオフまでなんとなく流れが掴めたら、とにかく波の切れ目を見つけてピークから乗ることを念頭において練習しましょう。波サイズがコシムネくらいまでならピークから狙ってもたいしたブレイクではありませんので思い切って突っ込んでゆきましょう。切れ目で乗ればテイクオフの後には素晴らしいラインが目の前に現れます。その時はじめて「サーフィンとはこれだな!」と実感すると思います。

動画提供:Surf Club

ダンパーには乗らない! 切れ目!切れ目!切れ目!

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