サーフィンマンガ【第1話】きっかけ

俺、マンガは描けないが文章は書けるので、サーフィンマンガの脚本を書いてゆこうと思う。面白かったら誰かマンガ描いてくれ。フリー脚本だからお金は要らないよ。時々読み直して編集したりしますので許してね。

俺の名前はデニス。サーファーの仲間からはそう呼ばれている。というかそう呼んでくれと俺から伝えた。

100%日本人顔だが、外国人の友人が多かったせいで本名だと呼びづらいということで勝手に名乗ったニックネームだ。「わんぱくデニス」という映画から付けた。3才の頃、三輪車におもちゃをたくさん載せて家でしたのが映画のワンシーンと被った。

今日はサーファーの友人達と集まってBBQ。一杯やりながら火照った体を夕方の潮風で冷やしてるところだ。朝一は良かったが昼頃から風がでてきてクローズアウト。そんな日はシャワーを浴びて明日の朝までBBQするか寝るしかすることがないんだ。

ふとガレージの脇に目をやると裏返しに干されたウェットスーツがずらりと並んでいる。思い起こせばあれは22才の11月上旬頃だったと思う・・・。

1年前まで俺は雪山の人だった。春~秋にかけてバイトでお金を貯めて、冬になると山にこもってスキー三昧の生活を送っていた。高校を卒業して就職したけど1ヶ月で辞めて山に戻るほど夢中になっていた。

雪山のない千葉に住んでいた俺は、学生の頃はシーズンで2回しか行けない事にイラだっていたせいもあり、19からの冬は濃厚だった。高3の卒業前にイントラの免許を取り、栂池でアシスタントとして働き、神立→志賀と渡り歩き、21の冬には小樽のプロスキーヤーの元で働いていた。夢はカナダの山岳パトロール隊だった・・・。

結局、技術的な事情や経済的な事情なんかもあって山を下りることになった。大きく失望した俺はスキー用品を全て売り払ってポッカリ穴の空いた春と夏を過ごしてしばらく経った頃だった。

友の誘いで海へ行く

そんな死んだ目をした俺を見かねた友人Sが「なぁ、サーフィン行かないか?」と誘ってきた。Sは高校時代からの悪友の1人で6人兄弟の長男で面倒見がいい。八の字眉毛が愛くるしくて親指の爪がテレビみたいにデカいのが特徴だ。

Sもまたその年にサーフィンを教わり、行く仲間を探していたところだったらしい。冬の到来に戸惑っていた俺は即座に「あぁいいよ」と答えた。あまり深いことは考えていなかった。道具を全て用意してくれるというSの言葉を100%信じていたし、とにかく何か別の事に意識を向けたかった。

当日早朝、Sは会社のバンで迎えに来てくれた。日の出間もない朝日は眠いまぶたに重くのしかかる。サングラスごしにタバコをふかしながら海に向かった。

風も無く朝靄の中静かに車を停めて降り立った。朝の砂浜は想像以上に冷たい。

後部座席を倒した後ろにはウェットスーツからサーフボード、ポリタンクに20Lの水まで全て揃っており、Sと俺が初心者同士だと言うこと以外は完璧だったと思う。

初めて見るウェットスーツはなんだかとても新鮮だった。ゴム製でパステルカラーがなんとなく洒落に思えたが、着るのがなかなか大変で30分くらい格闘してようやく着ることができた・・・「あ、あれ?」

とりあえず着用してみたものの、背中側のチャックが上手く閉められない。後ろに手を回すとチャックに長い紐がついており、それを持って頭から手を回して肩の方へぐいっと引っ張ると背中のファスナーが閉まる仕組みだ。

「へーウェットスーツってこんな構造なんだな♪」

と言ってSに見せると

「ひゃははは!お前それ、裏表逆だぜ!?」だと。

どうりで着づらいわけだ。そんな事を思いながら顔を真っ赤にしてウェットスーツを脱ぎ、裏表直してきてみた。このウェット、本当の色は濃いめのグレーだった。

【第2話】いざ海へ!つづく